訪問歯科診療とは? WHAT IS VISITING DENTISTRY?
歯科医院へ通院することが困難な方のために、歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士がチームとなってご自宅や施設へ伺い歯科診療を行うことを訪問歯科診療といいます。当院は「在宅療養支援歯科診療所」「横浜市在宅寝たきり高齢者等訪問歯科診療事業」の協力医療機関であり、訪問診療に力を入れています。
通院による患者様の肉体的・精神的な負担を軽減し、日常の生活空間でリラックスした状態で治療を受けられます。そのため、患者様の日常での様子を見ることができ、ご家族様や介護スタッフの方からヒヤリングすることであらゆる視点から診療のアプローチを行うことが可能です。お口の中の不調を取り除き、健口を保ち食事を楽しむことができることが、患者様の全身の健康につながる第一歩です。
誤嚥性肺炎予防と
訪問歯科・口腔ケア
寝たきりの状態や身体を動かすことが困難な方は、ご自身で歯磨きを行うことが難しいため、お口の中でトラブルが起きやすい状態になっています。お口の中の汚れや細菌は、むし歯や歯周病だけでなく全身疾患や誤嚥性肺炎の原因になるため、口腔ケアが必要です。
要介護高齢者の死亡原因第1位の肺炎は、口腔内を清潔に保つことで発症するリスクを下げることにつながります。口腔ケアをおこない、お口の中の細菌数を減らすことで、誤嚥性肺炎の発生率を4割下げることが可能と言われています。また、当院では誤嚥性肺炎予防だけでなく、多職種と連携をとりながら、飲み込みや咀嚼など患者さん一人ひとりに合った摂食・嚥下リハビリテーションもおこなっております。 患者さんが「食べることの喜び」を実感し、心身の健康を保つことが私たちの願いです。
治療の内容について
-
入れ歯の作成・調整
入れ歯の作成や、合わなくなった入れ歯の調整をおこないます。長く使い続けると歯茎や歯の形に変化が出てくるので、気づかないうちに入れ歯がゆるくなったり合わなくなったりすることがあります。不具合がない時も、定期的にチェックしてもらうことをおすすめします。
-
むし歯・歯周病治療
持ち運び可能な診療機器を使い、むし歯や歯周病の治療をおこないます。歯の治療をおこなうことで噛む力が向上します。しっかり噛んで食事を食べることは、脳を刺激し活性化することがさまざまな研究で明らかになっており、認知症予防の効果も期待できます。
-
口腔ケア・歯のクリーニング
患者さんのお口の中の状況に合わせて、歯科医師または歯科衛生士が汚れを除去します。歯の表面を磨き歯石を取ることはもちろん、普段ご自身でのお掃除が難しい歯間や舌・粘膜なども、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って隅々までケアします。また、歯磨き指導や入れ歯の正しいお手入れ方法や保管方法などのご説明もいたします。
-
嚥下内視鏡
鼻腔ファイバースコープという内視鏡をのど(咽頭)に挿入し、飲み込む時ののどの状況(嚥下機能)を確認する時や、咽頭・喉頭の異常の有無を調べる時に使用します。唾液や喀痰の貯留の有無、食物を飲み込んだ後の咽頭内への食物の残留の有無などの評価も可能です。
摂食・嚥下リハビリテーション
脳血管障害などの様々な疾患の影響で経管栄養、いわゆる「鼻チューブ」や「胃瘻(いろう)」から栄養を取っている方に対し、主治医・耳鼻科医・看護師などの多職種と連携をとりながら、実施可能な患者さんに対し、お口から食べていただくことを目指したリハビリを行っています。
お年寄りやお身体が不自由で通院が困難な患者様のために、歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士がご自宅や施設に訪問して歯科治療や口腔ケア、栄養指導を行います。経管栄養になる前から通院されていた患者さんについては、これまでの診療情報をもとに「かかりつけ歯科医」として、より安全で質の高い訪問歯科診療を行っております。
HOME CARE 在宅療養支援歯科診療所
在宅療養支援歯科診療所とは、「後期高齢者の在宅又は社会福祉施設等における療養を歯科医療面から支援する歯科診療所」のことです。
訪問診療の実績があり、高齢者の心身の特性を把握し緊急対応などの研修を修了した歯科医師がいることや、在宅医療・福祉との連携など一定の診療体制と診療実績に基づき、指定される厳しい施設基準を満たしている診療所であることが条件です。